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税務会計顧問

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2018/10/12

役員への金銭貸与が給与課税されない「適正利率」は?

<所得税>

会社は利益の追求を目的としているため、役員や従業員にお金を貸す場合、必ず利息を徴収する必要がある。そのため、無利息でお金を貸すと給与課税の問題が浮上する。会社が役員に金銭を貸し付け、貸付利息を受け取る場合には、役員が支払う利息が適正な利率によって計算されたかどうかによって取扱いが異なるので注意したい。そこで問題となるのは、会社と役員間で金銭の貸借があった場合の「適正な利率」である。

まず、会社などが貸付けの資金を銀行などから借り入れている場合(いわゆる「ひも付き」)には、その借入利率(平均調達金利=(前事業年度の支払利息合計)÷(前事業年度の借入金平均残高))となる。それ以外の場合は、銀行金利に国が定めた利率で、近年の特例基準割合(毎年変わる)は、2014年:年1.9%、2015年:年1.8%、2016年:年1.8%、2017年:年1.7%と推移している。

上記の利率により計算した利息の額と実際に支払う利息の額との差額が、給与として課税されることになる。役員から受け取った利息が適正な利率の場合は、会社の経理上、受取利息として益金計上され、法人税が課税される。適正な利率よりも高い場合は、適正な利率を上回る部分については、その役員からの受贈益として益金計上され、適正な利率部分と同様に法人税が課税される。

また、無利息又は適正な利率よりも低い場合は、会社は利益の追求を目的とする営利法人であり、経済合理性に反することから、適正利率との差額に相当する部分について、税務上は役員に対して給与の支給があったものとみなされる。したがって役員は、適正な利率によって計算された利息との差額が給与として所得税が課税されるが、年末調整時にこの差額部分を含めた上で所得税の計算がされていれば、確定申告の必要はない。

なお、役員に無利息又は低い利息で金銭を貸し付けた場合でも、(1)災害や病気などで臨時に多額の生活資金が必要となったため、合理的と認められる金額や返済期間で金銭を貸し付ける場合、(2)会社において定めた合理的と認められる貸付利率による貸付金、(3)それ以外の貸付金の場合で、適正利率で計算された利息との差額が1年間5000円以下の貸付金、のいずれかに該当する場合には、給与課税しなくてもよいことになっている。

                                                                                   提供:株式会社タックス・コム

2018/08/22

短期前払費用として支払時点で損金算入できる場合

<法人税>

前払費用とは、法人が一定の契約に基づき継続的に役務の提供を受けるために支出した費用のうち、その事業年度終了の時においてまだ提供を受けていない役務に対応するものをいう。前払費用は、原則として、支出した時に資産に計上し、役務の提供を受けたときに損金の額に算入すべきものだ。つまり、翌期の経費を今期の経費として繰り上げることは認められていないわけだが、例外規定として「短期前払費用」というものがある。

法人税基本通達では、「前払費用の額で、支払った日から1年以内に提供を受ける役務に係るものを支払った場合において、その支払った額に相当する金額を継続してその支払った日の属する事業年度の損金の額に算入しているときは、その支払時点で損金の額に算入することを認める」としている。地代家賃・賃借料や保険料などで毎月支払っているものをまとめて1年分支払っても短期前払費用として全額損金算入できる。

例えば、3月決算法人が、当事者間の契約で、(1)期間40年の土地賃借に係る賃料について、毎月月末に翌月分の地代月額100万円を支払う、(2)期間20年の土地賃借に係る賃料について、毎年、地代年額(4月から翌年3月)24万円を3月末に前払いにより支払う、(3)期間2年(延長可能)のオフィスビルフロアの賃借に係る賃料を、毎月月末に翌月分の家賃月額61万円を支払う、といった支払いを継続的に行うとしているものが該当する。

しかし、利益が出たから今期だけ1年分支払うといった利益操作のための支出や、収益との対応期間のズレを放置すると課税上の弊害が生じるものを排除する必要があることから、継続的な支払いを前提条件とすることや、収入との直接的な見合関係にある費用については対象外とされる。例えば、借入金を預金や有価証券などの金融資産で運用するようなひも付きの場合の借入金の前払い利息は、短期前払費用の計上はできない。

これらに加えて、役務の受入れの開始前にその対価の支払いが行われ、その支払時から1年を超える期間を対価支払の対象期間とするような前払費用も、短期前払費用に該当しないので注意が必要だ。例えば、3月決算の企業が、期間10年の建物賃借に係る賃料について、毎年、家賃年額(4月から翌年3月)100万円を2月に前払いにより支払うといったケースが該当する。この場合は、全額を前払費用として資産計上することになる。

                                                                                   提供:株式会社タックス・コム

2018/08/01

会社主催の海水浴費用、家族同伴も損金算入できる?

<法人税>

暑い夏の定番は海水浴。家族のリクエストに応えて夏休みに海水浴に行くサラリーマンも少なくない。企業によっては、夏休みを利用して従業員や家族を泊りがけで海水浴に招待したり、会社が「海の家」と契約して、従業員や家族が一般の利用料金よりも低料金で利用できるようにするところもある。こうしたケースで企業が支出する費用は、常識的な範囲内の負担であれば原則、福利厚生費として処理することができる。

ただ、疑問が生じるのは、従業員の家族分の負担も福利厚生費に含めることができるのかということだ。家族同伴のレクリエーションとしては社内運動会などが代表的だが、運動会は宿泊を伴わない。宿泊を伴う社員慰安旅行では通常、家族分の費用負担は認められていない。しかし、一般的には海水浴といえば家族同伴であることから、税務上も、家族分の費用も含めて、福利厚生費として処理することを認めているようだ。

一方、「海の家」と契約して会社が補助するケースでも、補助方法によっては、問題が生じるおそれがある。例えば、従業員への補助分を現金で支給したり、従業員が利用した後で、その料金等を請求させて精算する方法をとると、給与課税となる公算が強い。こうした場合は、契約した「海の家」にあらかじめ利用料金を補助する形にして、補助費用が海の家の利用料金に確実に使われていることを明確にしておくほうが無難だ。

もちろん、会社が負担する費用を福利厚生費として処理するためには、その費用が常識的な範囲内のものであることはいうまでもない。泊りがけの海水浴旅行が、民宿や一般旅館を利用するような一般的なものでなく、超一流ホテルに長期滞在するものであったり、一部の幹部社員や役員のみを対象とするものであれば、給与課税や認定賞与の問題が生じる可能性が大きいので要注意といえよう。

                       提供:株式会社タックス・コム

2017/06/14

配偶者控除等の見直しに伴う源泉徴収

平成29年度税制改正では、個人所得課税改革の第一弾として、平成30年分の所得税から配偶者控除及び配偶者特別控除が見直されることとなった。合計所得金額が1,000万円を超える居住者については、配偶者控除の適用対象外とされ、配偶者特別控除の対象となる配偶者の合計所得金額が38万円超123万円以下(改正前は38万円超76万円未満)に引き上げられた。さらに給与所得者である居住者の合計所得金額が「900万円以下」と「900万円超950万円以下」、「950万円超1,000万円以下」に分けられ、それぞれ配偶者控除又は配偶者特別控除の適用を受けることとなる。

従来の控除対象配偶者は「同一生計配偶者」と規定された。このうち配偶者控除又は配偶者特別控除の対象となる合計所得金額が1,000万円以下である居住者の配偶者が「控除対象配偶者」と定められた。さらに、居住者(合計所得金額が900万円以下である者に限る)の配偶者で、その居住者と生計を一にするもの(青色事業専従者等を除く)のうち、合計所得金額が85万円以下である者が「源泉控除対象配偶者」と定められた。

これらの見直しに伴い源泉徴収事務に関する改正が行われ、月々等の源泉徴収事務(年末調整を除く)においては、これまで給与所得者の配偶者特別控除申告書の提出により年末調整時に対応していた配偶者特別控除について、居住者の合計所得金額が900万円以下の場合は、配偶者控除と同様に「給与所得者の扶養控除等申告書」の提出により、月々の源泉徴収に変わる。

つまり、給与所得者の扶養控除等申告書を提出し、税額表の甲欄を使用して給与等に対する源泉徴収税額を求める際に、配偶者が「源泉控除対象配偶者」に該当する場合には、扶養親族等の数に1人を加えて計算することとされ、居住者と生計を一にする合計所得金額が38万円以下の「同一生計配偶者」については、障害者に該当する場合に扶養親族等の数に1人を加算することとされた。

一方、居住者の合計所得金額が「900万円超950万円以下」又は「950万円超1,000万円以下」の場合には、月々の源泉徴収ではなく、その年の年末調整時において、一括して「給与所得者の配偶者控除等申告書」を給与等の支払者に提出することにより、配偶者控除又は配偶者特別控除の適用を受ける流れとなる。

前述の給与所得者の配偶者控除等申告書とは、現行の「給与所得者の配偶者特別控除申告書」を改めたもので、配偶者控除又は配偶者特別控除の適用を受ける場合に必要となる。現行の「給与所得者の保険料控除申告書兼配偶者特別控除申告書」(兼用様式)については、平成30年分以後は「給与所得者の保険料控除申告書」と「給与所得者の配偶者控除等申告書」の2種類の様式に分かれる予定という。この改正については、平成30年分の年末調整時の対応となることから、新たな様式は来年以降の公表となろう。

                    提供:税務研究会・税研情報センター

2017/04/26

事業承継税制と相続時精算課税の併用で税負担を軽減

<税制改正>

2017年度税制改正においては、非上場株式等に係る相続税・贈与税の納税猶予制度(事業承継税制)が、人手不足下における納税猶予取消リスク増大への対応のため、拡充されている。それは、(1)自然災害時等の雇用確保要件を免除(一部緩和)、(2)小規模な企業を中心に雇用確保要件を緩和、(3)相続時精算課税制度との併用を認める、(4)生前贈与後に納税猶予が取消となった場合でも、納税額が相続税と同額になる、などだ。

このうち、相続時精算課税制度との併用を認めたことから、生前贈与後の納税猶予中に雇用維持要件等を満たせずに認定が取消しとなった場合でも、納税額が相続税で株式を取得した場合と同額になる。ということは、贈与税の納税猶予が取消になった場合に生じ得る高額な贈与税負担を大幅に軽減することになるので、早期かつ計画的な生前贈与の促進が期待できるとみられている。

相続時精算課税制度は、生前贈与時に2500万円という大型の特別控除と特別控除を上回る金額には一律20%の軽減税率が適用でき、同制度を選択した場合の相続発生時には、生前贈与財産と相続財産を合わせて計算した相続税額から、生前贈与時に納めた贈与税額を控除して精算する。原則として、60歳以上の父母又は祖父母から20歳以上の子や孫に対し、財産を贈与した場合に選択できる贈与税の制度だ。

相続時精算課税制度を選択した場合、相続時発生時に相続財産と合算する贈与財産の価額は「贈与時の価額」とされるが、これまでは贈与税の納税猶予の適用を受ける株式等は相続時精算課税を適用できないことになっていた。それが2017年度税制改正で、相続時精算課税制度に係る贈与が、贈与税の納税猶予の適用対象に追加されたことから、納税猶予取消時に、相続税よりも高額な贈与税を納税しなければならないリスクが解消される。

相続時精算課税との併用によって、納税猶予が取り消された場合でも2500万円までなら取消時に贈与税がかからず、2500万円超の部分も税率は一律20%で済むことになる。株式の評価時期は異なるが、併用によって、納税猶予取消時の税負担を相続で株式を取得した場合の相続税と同レベルまで引き下げることができるので、納税猶予取引時に相続税よりも高額な贈与税を納税するリスクは相当下がることになる。

                                                                                            提供:株式会社タックス・コム

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